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2014年9月

楽器と演奏論

洗足学園音楽大学の名物講座「楽器と演奏論」での講義です。
荻原先生のサポートでプロジェクター初体験!
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ギャラリーコンサートVol.5終了

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5回目となるギャラリーコンサートはDuo Alster & 原善伸でした。
前半は私も入ってハイドン、ローゼンミュラー、チマローザを
後半はDuo Alster(児嶋絢子&槐智明)でピアソラとムニエルを、
そしてアンコールはサンスのカナリオスでした。
CDの売れ行きも好調で、皆さん喜んでくださったようです。

ギターの歴史講座終了

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エレキギターアカデミー(寺内タケシ校長)の「ギターの歴史」講座修了しました。
20人の選抜された若者達が大変熱心に受講してくれました。
ちょっと演奏コーナーでは「ラグリマ」という思わぬリクエストもあり、
全員からいろいろな質問も受け、楽しく終わることができました。

ギターの歴史 

ギターの歴史

1. ギターのルーツ

指またはプレクトラム(鳥の羽や木片など)で爪弾く楽器を撥弦楽器という。
先史時代、狩猟民が使っていた弓を木の実や獣の頭蓋骨などに刺して音を出したのが始まりと考えられる。
弦を複数張って異なる音高を出すようにしたものがハープの起源であり、一本の弦の長さを手で押さえ音高を変えればギターの起源となる。

各地の古代遺跡から撥弦楽器と思われる彫刻や絵画が見つかっている。

古代メソポタミアのレリーフ(紀元前1800年ごろ)

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古代エジプトの壁画

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2. 中世ヨーロッパ(5世紀〜15世紀)

ヨーロッパ各地にキリスト教が浸透しグレゴリオ聖歌を元とした声楽曲が発展したが、貴族や領主の宮廷や城では楽器の演奏も広く行なわれた。
名称はさまざまだがギターの様な撥弦楽器も多く使われた。

アルフォンソⅩ世編纂「サンタマリア・カンティガ集」13世紀

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3. ルネッサンス(15〜16世紀)

15世紀のなかごろドイツ人グーテンベルクによって発明された印刷術により、書籍だけでなく楽譜出版もはじまり、リュート、ビウエラ、ギターなどの楽譜が各国で出版された。
教会では声楽曲が中心であったが、国王や領主達はこぞってリューティストやギターリストを召し抱え宮廷で演奏させた。

 

エル・マエストロ(1536スペイン)L.ミラン

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タブラチュアによる記譜が用いられた。

4. バロック(17〜18世紀)
 

イタリアのフィレンツェで始まったオペラが広まるにつれ、ますます器楽の演奏が重要視されるようになった。
また、オランダなど都市の発展により裕福になった市民も音楽を愛好し、ギターもたいへん好まれた。
フランス王ルイ14世(太陽王)はギターを愛し、名手ロベール・ド・ヴィゼーを重用した。

ヨハネス・フェルメール(1632~1675)ギターを弾く女性1672頃

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ジャン・アントワーヌ・ヴァトー(1684~1721)メズタン1718頃

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5. 古典派・ロマン派(18世紀〜19世紀)

フランス革命(1789〜)以後、それまで主に貴族と聖職者の専有物であった音楽がブルジョワを始めとする市民に広がり、演奏の場もコンサートホールへと移行した。一方、富裕層のサロンでの音楽会も盛況で19世紀初頭はパリやウィーンでギターは広く親しまれた。

6単弦ギター

アグアド教本よりアグアドの肖像(1843年)

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エドガー・ドガ(1834~1917)歌うバガンとドガの父1869頃

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6. 近代・現代(19世紀〜20世紀)

19世紀も後半になると音量の問題などからギターは徐々に音楽界の第一線から退いて行った。
しかし、フランシスコ・タレガ(1852-1909)らにより、ひそかにではあるがギターの名曲が生み出されていた。
また、1850年頃アントニオ・トーレスにより現代のクラシックギターの原型が作られた。

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トーレスを弾くタレガ

7. ギターの復活

1920年頃からアンドレス・セゴビア(1893〜1987) の演奏技術と音楽性がクラシック音楽界に認められ、世界を股に演奏旅行を行なうとともに、作曲家にギター曲の作曲を依頼、また献呈を受けた。セゴビアによって現在のクラシックギターの隆盛があると言っても過言ではない。

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8.  現代

第二次世界大戦後、クラシックギターの技術は格段の進歩を見せ、
ナルシソ・イエペス(1927-1997)
ジュリアン・ブリーム(1933-2020)
ジョン・ウィリアムズ(1941-    )
らによって、音楽界におけるクラシックギターの地位は確立された。

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9. アメリカンギターのルーツ

クリスチャン・フレデリック・マーチン(1796~1867) は15才でウィーンのヨハン・シュタウフェルに弟子入り、
1833年にアメリカへ移住、後代々ギター製作にたずさわる。

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28日に向けて

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28日(日)15:00(14:30開場)原善伸ギター教室2Fギャラリー ¥2.500(ワインサービスあり)
当日は先日発売されたDuo Alster のCDも共演した私を含め3人のサイン入りでお買い求めいただけます。
曲目はCD収録曲からハイドンのバリトントリオ(児嶋・槐・原)とムニエルのスペイン奇想曲(児嶋・槐】
ダウランドの涙のパバーヌ(槐)、そして今回初合わせのローゼンミュラーのパバーヌ(児嶋・原)
チマローザの2つのソナタ(児嶋・原)など盛りだくさんです。

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お彼岸

秋のお彼岸、晴天です。
祖母が千葉県の出身だったので、祖父が千葉が見える所にと一番高い所に墓をつくりました。
仲が良かったんですね。
これから、百段あまり石段を登ります。

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「音楽の聴き方」

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岡田暁生著「音楽の聴き方」を読みました。
2009年に出たんですね。
岡田ファンの私としてはいささか出遅れでした。
タイトルからは何やら教養趣味的な感じを受けますが、実際には彼の音楽論もしくは音楽美学論です。
「西洋音楽史」でもそうだったけど、タイトルと内容の微妙なギャップも彼の著作の魅力ですね。
「音楽なんてどう聴こうが勝手だろ」という批判を大前提にしつつ「それはそうだけど、でもね・・・」的に音楽の聴き方、あるいは音楽そのものについて真摯に考察を重ねて行く・・・彼も書いているように「悪戦苦闘」が偲ばれる、しかし難問に真正面から取り組んだ名著です。

湘南44-38横須賀ツアー

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今日は湘南高校44回生38組有志会が私のギター演奏付き横須賀ツアーを計画しました。
明治22年開業の由緒ある横須賀駅集合、ウェルニー公園内レストランで海軍カレーとネイヴィーバーガーの昼食、
軍港巡り、どぶいた通り散策、記念館三笠見学、中央公園から東京湾展望、
そして原ギター教室ギャラリーで私のギター演奏&打ち上げ・・
と、盛りだくさんの一日を満喫してくれたようです。

CD[Duo Alster]

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Duo Alster(槐智明&児嶋絢子)の1stアルバムを聴きました。
1曲目のハイドン「バリトントリオ」では私も共演しています。
マンドリンの弱音の美しさが生かされた選曲と演奏です。
もちろんムニエルなどのヴィルトゥオーゾな世界も堪能しましたが、
オブリビオン(ピアソラ)のラストのPPPのトレモロにはしびれました。
槐くんのギターもマンドリンを十分サポートしつつ、存在感を示した好演です。
当HPのお問い合わせフォームからも注文を受け付けます。
定価(税込み)¥3.000   送料サービスいたします。
住所とお電話番号を明記してお申し込みください。

収録曲:バリトントリオ(ハイドン)オブリビオン(ピアソラ)スペイン奇想曲(ムニエル)
    涙のパバーヌ(ダウランド)ソナタ第3番(レオーネ)アングロ(古い歌)

トレモロ特集延期

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10月号の予定だった「クラシックギターにおけるトレモロの歴史」の掲載がが11月号に延期になったので、
大幅に手直しをしました。現代ギター11月号はトレモロ特集になるそうです。
是非、お読みください。